Turkeyriceの勝手に英訳ブログ Turkeyrice's Blog Written in both Japanese and English

音楽,映画,本,テレビ,長崎のことを好き勝手に日本語プラス英語で書いています。2017年に英検1級取得。Talking about Music, Films, Books, TV Programs, and Some Things in Nagasaki

読書

歴史小説の楽しみ:司馬遼太郎著「竜馬がゆく」(第5巻) The Delights of Historical Novels: ‘Ryoma ga Yuku’ by Shiba Ryotaro (the fifth volume)

今の時代から見ると、明治維新というのは歴史の自然な流れの様に思えます。しかし、フランス革命やロシア革命と性質は異なるにせよ、倒幕運動というのは間違いなく一つの革命であり、それが達成されるためにはたくさんの命が費やされたのでした。 From the s…

歴史小説の楽しみ:司馬遼太郎著「竜馬がゆく」(第4巻) The Delights of Historical Novels: ‘Ryoma ga Yuku’ by Shiba Ryotaro (the fourth volume)

勝海舟との出会いを通じて、自分の行き方が定まる坂本竜馬ですが、どうやらその道が時勢の流れに差し掛かるのはまだまだ先のようです。 Sakamoto Ryoma finally decides how to live his own life through the encounter with Katsu Kaishu but it seems to …

歴史小説の楽しみ:司馬遼太郎著「竜馬がゆく」(第3巻) The Delights of Historical Novels: ‘Ryoma ga Yuku’ by Shiba Ryotaro (the third volume)

土佐藩を脱藩して路銀もないまま江戸にもどる竜馬の姿はまだまだ頼りないのですが、この間、清川八郎と道中をともにします。のちに新選組の立ち上げにもかかわり、幕末の騒乱の引き金にもなる人物と、坂本竜馬との間にこのような交わりが本当にあったかはわ…

歴史小説の楽しみ:司馬遼太郎著「竜馬がゆく」(第2巻) The Delights of Historical Novels: ‘Ryoma ga Yuku’ by Shiba Ryotaro (the second volume)

諸流試合で優勝するほどに剣術の道を究める竜馬ですが、まだ時勢の外に居て自分の行き方を定めずにいます。 Ryoma had improved as a swordsman to the extent that he won a tournament which featured swordsmen from various schools, even so he was out…

歴史小説の楽しみ:司馬遼太郎著「竜馬がゆく」(第一巻) The Delights of Historical Novels: ‘Ryoma ga Yuku’ by Shiba Ryotaro (the first volume)

文庫本の裏表紙に書いてある、あの内容紹介というのは、短いながらもそれを書く人はきっと渾身の努力で書いているのに違いありません。あれで掻き立てられる読みたい気持ちは、それ自体が喜びといっていいものです。 The summery on the back cover of a pap…

歴史小説の楽しみ:司馬遼太郎著「竜馬がゆく」 The Delights of Historical Novels: ‘Ryoma ga Yuku’ by Shiba Ryotaro

主人公の魅力というのは、物語の面白さを決定づける大きな要素に違いありません。ときには、読み終わるのが切なくなるくらい、主人公に感情移入してしまうことがあります。ましてや、それが歴史上に実在した人物であり、しかも非業の死を遂げると知りながら…

読んだらやっぱりすごかった:漫画「鬼滅の刃」 Once I started reading, I realized how good it was: The series of comic books called ‘Kimetsu no Yaiba (Demon Slayer)’

コミックス全23巻一気に読みました。こんなに面白いもの、よく今まで読まずにいれたものです。以前、「呪術廻戦」の感想の際に、「『鬼滅の刃』にはノリ損ねた」とか書いていました。情けないです。恥ずかしいです。今さらですが、本当に面白い漫画です。 I …

子どもの頃床屋で読んだ漫画:永井豪「へんちんポコイダー」 A Manga Book I Used to Read at a Barber in My Childhood: ‘Henchin Pokoider’

このタイトルのワクワク感はどうでしょう。バカな男子にとって、声に出して読みたい日本語一位かもしれません。死ぬ前に心によぎる言葉がこれだったらどうしようと、へんな心配までしてしまいます。小学生の頃に床屋で読んで以来、ずっと気になっていました…

歴史小説の楽しみ:「最後の将軍」司馬遼太郎作 The Delights of Historical Novels: ‘Saigo no Shogun (The Last Shogun)’ by Shiba Ryotaro

今夜から、大河ドラマ「青天を衝け」が始まります。主役は渋沢栄一ですが、彼の人生を語るにおいて欠かせない人物がいます。江戸幕府最後の将軍、徳川慶喜です。 The NHK Taiga historical drama called ‘Seiten wo Tsuke (Reach beyond the Blue Sky)’ star…

洋書レビュー(前回の続き):「ザ・ヘイディーズ・ファクター(地獄の因子)」ロバート・ラドラム、ゲイル・リンズ共著(初版2002年) A Review of an English Book (the sequel to the last article): ‘The Hades Factor’ by Robert Ludlum and Gayle Lynds (published in 2002)

アメリカ国内で同時に、しかし互いに離れた3か所で発生した謎のウイルスによる感染症について、最初の糸口をつかむのは、ソフィア・ラッセルという名の女性医師です。国立の感染症研究所に勤務する彼女は、このウイルスのDNAシーケンスデータに奇妙な既視感…

洋書レビュー:「ザ・ヘイディーズ・ファクター(地獄の因子)」ロバート・ラドラム、ゲイル・リンズ共著(初版2002年)  A Review of an English Book: ‘The Hades Factor’ by Robert Ludlum and Gayle Lynds (published in 2002)

The Hades Factor: A Covert-One Novel 作者:Robert Ludlum,Gayle Lynds 発売日: 2000/06/22 メディア: Audible版 タイトルからは想像がつきませんが、謎のウイルスによるパンデミックのお話です。ペーパーバックで400ページを超えるこの本は、全編を通じて…

平和への想いが深まる本:H.G.ウェルズ著「世界史概観」② A Book That Makes Me Long for World Peace Even More: ‘A Short History of the World’ by H.G. Wells ②

一見、ただの歴史書に見えるこの本が、戦争の抑止についての示唆を与えていることは、出版年を見ると、よくわかります。 At first sight this book looks like an ordinary history book, but it is apparent from the year when the book was published tha…

平和への想いが深まる本:H.G.ウェルズ著「世界史概観」① A Book That Makes Me Long for World Peace Even More: ‘A Short History of the World’ by H.G. Wells

平和でなければ、ポップカルチャーも楽しめません。というか、戦時にもっとも後回しになるのがそんなエンターテインメントの分野にちがいありません。長崎の人間としては、8月9日を迎えるたびに、そう思ってしまいます。平和について考えることを、政治家や…

持ってるだけで嬉しい本:AKIRA(作・画 大友克洋)の魅力④ この物語の革新性 Books That Makes Me Feel Happy Just By Owning Them: The Attractiveness of AKIRA (written and illustrated by Otomo Katsuhiro)④ A work full of innovative ideas

まず、漫画としての新しさを感じました。写実的な絵柄、大胆なコマ割りなどそれまでになかった要素がいっぱいでした。でも、その革新性は、漫画としての手法にとどまらず、この物語の世界観そのものに表れているように思います。 In the first place, there …

持ってるだけで嬉しい本:AKIRA(作・画 大友克洋)の魅力③ 登場人物の魅力 Books That Makes Me Feel Happy Just By Owning Them: The Attractiveness of AKIRA (written and illustrated by Otomo Katsuhiro)③ The Attractiveness of the Characters

前回述べた設定だけで、この物語の面白さはもう約束されたも同然です。しかし、さらに登場人物の性格付けが面白さに拍車をかけてきます。主な登場人物について列挙します。 This story looks already promising with just the settings I mentioned last tim…

持ってるだけで嬉しい本:AKIRA(作・画 大友克洋)の魅力② 設定の面白さ Books That Makes Me Feel Happy Just By Owning Them: The Attractiveness of AKIRA (written and illustrated by Otomo Katsuhiro)② The Intriguing Settings

物語の舞台は2019年、翌年の2020年にオリンピックの開催を控えたネオ東京です。今、2020年を生きている自分たちにとって、これほどワクワクできる設定はあるでしょうか。 The story is set in 2019 in Neo Tokyo, where the Olympic Games are going to take…

持ってるだけで嬉しい本:AKIRA(作・画 大友克洋)の魅力① 映画のような仕立て Books That Makes Me Feel Happy Just By Owning Them: The Attractiveness of AKIRA (written and illustrated by Otomo Katsuhiro)① Its Movie-like Structure

1984年の秋、友達の家で第一巻を手に取った瞬間が忘れられません。漫画の単行本として見たことのないその大きさと、小口にまで着色された凝った装丁に心を奪われました。そして、ページを開いて出会ったのは、見掛け倒しではない、本当に魅力的な世界でした…

007シリーズ原作の魅力:第一作「カジノ・ロワイヤル」(初版1953年) The attractiveness of the original series of 007 books: the first volume, ‘Casino Royale’(published in 1953)

007/カジノ・ロワイヤル (創元推理文庫) 作者:イアン・フレミング 発売日: 2019/08/22 メディア: 文庫 時代遅れです。スノビズムにセクシズム、残念なことにレイシズムにまであふれています。批判すべき点が多くあるのは分かっています。それでも間違いなく…

公開が楽しみな映画:「007 No Time to Die」 A Movie I’m Looking Forward to Its Release: ‘OO7 No Time to Die’

4月に公開予定だった映画、007シリーズ第25作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」の日本公開は、11月20日となっています。 The movie called ‘OO7 No Time to Die’, the 25th instalment in the 007 film series which was supposed to be released in April, …

大好きだったあの世界は今:岩館真理子の世界⑭「薔薇のほお」 Where Is The World I Loved Before?: “Bara no Ho” by Mariko Iwadate

1999年にヤングユーから出版された短編集の表題作です。タイトルだけで岩館真理子さんらしさを感じてワクワクします。このお話は、ちょっと謎めいた女の子と、とってもお人好しな青年が出会ってからの、たった1日の出来事を描いたものです。 This work is a …

ほんとに面白い本:「レ・ミゼラブル」⑥ 腑に落ちる結末 It’s Really Worth Reading: “Les Misérables” by Victor Hugo⑥ The Ending of the Story Convincing

革命のバリケードからマリユスを救い出すという、ジャン・バルジャンの英雄的行為は、もちろん誰にも知られずに行われたのでした。目を覚ましたマリユスにとっても、当然それは謎でした。そして、それはぜひとも解かなければならない謎なのでした。 What Jea…

ほんとに面白い本:「レ・ミゼラブル」⑤ 革命の夜 It’s Really Worth Reading: “Les Misérables” by Victor Hugo⑤ On the Night of the Revolution

マリユスは、物語後半の展開において、要のような存在になります。コゼットとの愛で、ジャン・バルジャンの心をかき乱し、ゴルボー屋敷で行われるある犯罪の阻止を通じてテナルディエと関わり、その娘のエポニーヌに恋心を抱かせ、自分が革命運動に巻き込ま…

ほんとに面白い本:「レ・ミゼラブル」④ 岩館真理子さんの絵で読みたい恋の話 It’s Really Worth Reading: “Les Misérables” by Victor Hugo④ A Love Story That I Want To Read with the Drawing by Mariko Iwadate

タイトルからは陰惨なイメージしか浮かばないこのお話ですが、その大きなプロットの一つは、実はラブストーリーです。 Although I feel only something gloomy with the title of this book, but in fact one of the main plots of this story is a love sto…

ほんとに面白い本:「レ・ミゼラブル」③ 悪役の魅力 It’s Really Worth Reading: “Les Misérables” by Victor Hugo③ The Villains Depicted So Well to the Extent of Making Me Feel Attractive.

悪の闇が深いほど、善は輝くものです。この物語は、慈悲深いミリエル司教、改心したジャン・バルジャンと、善なるものの在り方を痛快なまでに描き出しています。しかし、このお話をさらに面白くしているのは、悪の存在です。ユゴーがこの本で告発している本…

ほんとに面白い本:「レ・ミゼラブル」② 痛快なまでの善 It’s Really Worth Reading: “Les Misérables” by Victor Hugo② Exhilaratingly Good against Evil

司教に渡された銀の燭台と食器を背嚢に入れたまま、ジャン・バルジャンは郊外の道を彷徨っていました。あまりにも大きな司教の慈悲を受け止めきれず、気持ちを整理できずにいたのです。やがて路傍に座り込み、とりとめもなく物思いにふけっていた彼は、全く…

ほんとに面白い本:「レ・ミゼラブル」司教の燭台について思うこと It’s Really Worth Reading: “Les Misérables” by Victor Hugo My Impression about the Bishop's Candlesticks

もう何回目になるかわかりませんが、読み直しています。世界中で読まれていて、ミュージカルにも映画にもなっていて、知らぬ人などいないはずのこの本ですが、自分の身近にはなぜか読んだ人がいません。理由はいくつかあるのでしょうが、第一にその長さだと…

好きだったCMソング:松田聖子「風立ちぬ」  My Favorite CM Songs: “Kaze Tachinu” by Seiko Matsuda

本好きと言う割に、日本の文学にはあまり親しまずにきました。夏目漱石や太宰治、三島由紀夫といった作家の代表作は読んでいても、特にハマった作品があるわけではありませんでした。 I often say that I like to read books, but I haven’t read Japanese l…

大好きだったあの世界は今:岩館真理子の世界⑬「キララのキ」 Where is the world I loved before?: “Kirara no Ki” by Mariko Iwadate

ホラーの要素も入ったサスペンスです。 This is a suspense with a touch of the horror story. キララとは、一体何者なのか。一見、活発なこのキララという女の子は、その実在すら疑わしい人物です。しかし、主人公の十秋には、小学校の同級生に、キララが…

一気に読んだ本:高岡ヨシ著「五厘クラブ」 Books I Read at a Stretch:”Gorin Club” by Yoshi Takaoka

子どもの頃から読書にこもりがちでした。友達が遊びの誘いに来ても、読みたい本があれば姑息に居留守をしていました。好き嫌いはあります。自分でも基準はわからないのですが、ベストセラーであっても、冒頭の数ページで入り込めなければ、素直に読まないこ…

捕虜収容所に見る戦争の非人間性③:ジェームズ・クラベル著「キングラット」を読んで The Inhumanity of Wars Which Can Be Seen through a POW Camp③: “KING RAT” by James Clavell

題名のキングラットとは、キングが金儲けのために行った一つの試みに関係しています。彼は、ネズミを飼育して、その肉を売りさばこうとしていたのでした。それは、一匹の大きく、凶暴なネズミを捕らえたことをきっかけに始まりました。しかし、床下に設けら…